『吟醸掌篇』とは……
「上質でおもしろい短篇小説の文芸誌をつくりたい!
同人誌じゃなく、プロフェッショナルな!
やさしい友達に売りつけるんじゃなく、読者が楽しみに買ってくれるような!
激安だけどギャラの発生する!
秀逸なコラムも載ってて、表紙もかっこよくて
ちゃんとしたさし絵も入って、
すごくきれいな文芸誌!」
と志して、
とある、新人賞は頂いたものの、その後「注文のない小説家」が、毎月小銭を貯め、
知り合いの小説家をさそい、2016年に創刊したものです。
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どうしてそんな文芸誌を作りたかったかというと……
新人賞は、頂いてからが地獄の始まりです。
これまで励まし合って「応募」してきた仲間たちがいなくなり、編集者からきついことを言われたり、密室の中でヒドイしうちにあったりしても同じ苦しみを分かち合う場がありません。
精神状態もささくれだってきて、あんなに好きだった「小説を書くこと」が「聞くのもいや」になって……
“八方塞がり”という感じになりがちです。
若い方は再度の受賞のチャンスがありそうですが、うそかまことか「一度受賞した高年齢者に二度はない」などという噂も聞こえてきますし(本当かどうかわかりませんけどね)。
ではどうしたらいいか。
「どこにも載らない」などと嘆いていても仕方ない。
ならば自分で活躍の場をプロデュースすればいい!
それも、自分だけじゃなくて、同じような状況で負けずに「売れないけど良い作品を書いている」人たちと一緒に、ムーブメントができたらすごいんじゃないか! と思ったのです。
だけど、「ジャイアンのリサイタル」みたいなものを出したら、
「やっぱ下手くそだね、だから売れないんだよ」という「負の証拠」の品になってしまいます。
だからぜったい、ちゃんと「買ってもらえる」値打ちのあるものじゃなきゃダメだと思いました。
「同人誌ではなく」というのは、そういう気持ちです。
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とかく小説家は(自分も含め)己のことばかり考え、他人をねたんだりうらんだり、
自分で自分をばかにしたり、酒びたりになったり廃人になったりしがちですが、
「同業者とは、椅子取りゲームのライバルじゃなく、よい舞台をつくる仲間になりたい」
そんな思いが根っこにあったりして、「吟醸掌篇」は始まりました。
優れた書き手、描き手、翻訳家、装幀デザイナーさん、
印刷会社さんはじめ、みなさまのお助けで、
いつもなんとか作りあげています。
どうか弊誌をお手にとられ、愉しんでいただけたらほんとうにうれしいです。
また、短篇小説を書きためてる小説家さん(プロ、ただし自称可)、
絵描きさん、コラムが書ける読書人さん、
どうぞいらしてください。→こちら
心のやさしい鬼の家です。
2022年6月吉日(2023年2月27日改)
編集・発行人 栗林佐知(けいこう舎)
ご購入は……→すてきな書店さま
またはAmazonで、よろしくお願い申し上げます!